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序幕
場所は芸術の都ウィーン。大金持ちの邸で大パーティーの準備が進められている。舞台は食事のあとに上演されるオペラのための舞台の舞台裏。ゲイジュツにリカイのあるお金持ちは大金を支払う約束で新進気鋭の作曲家にこの日のための新作オペラ「ナクソス島のアリアドネ」を注文したのだ。短い前奏のあと幕が開くと、作曲家の恩師、音楽教師が侍従長を捜している。音楽教師はオペラの後にコメディ「浮気者のツェルビネッタと4人の恋人達」が上演されるときいて、それではオペラがぶちこわしだと侍従長に詰め寄るが、侍従長は「この家で行われることはすべてご主人様が決めること」とにべもない。弟子の作曲家にこれを伝えるのは気が重いと、音楽教師は肩を落として去る。入れ替わりに侍従に案内されて将校が現れる。侍従はコメディの主役、ツェルビネッタの部屋に将校を案内し、ノックしようとするが将校に追い払われる。今度はオペラの出演者達に最後の稽古を付けようと作曲家が現れるが、侍従にからかわれて取り残される。出演者達はすっかりナーバスになってバッカス役のテノール歌手はカツラ職人に当たり散らす始末。音楽教師はやっと作曲家を見つけるが、コメディの出演者達も舞台裏に現れ、彼には何が起こるのかすっかりわかってしまう。
コメディの出演者達は「退屈なオペラを小一時間も聴かされたお客達は意趣直しが必要」とやる気まんまん。オペラ出演者達とつばぜり合いを繰り広げる。再び現れた侍従長が「ご主人様は気が変わってオペラとコメディを同時に上演しろと申しておられる」と告げる。一同仰天し作曲家は落胆して去ろうとする。一度はスコアを火にくべて燃やしてしまえと叫んだものの、恩師の音楽教師、コメディの座長の舞踊教師に説得され、挙げ句の果てにはコメディの主役、浮気者のツェルビネッタにおだて上げられて、すっかりいい気分になった作曲家は一人音楽の神聖さを讃える。音楽教師はオペラとコメディの両演目の出演者達に号令し、彼らは舞台に殺到する。我に返った作曲家は天と我が身を呪うが時すでに遅く、大混乱の中、悲喜劇「ナクソス島のアリアドネ」の幕が上がる。
本幕
本幕は序幕の部屋の反対側、邸宅の中の舞台で上演される劇中劇である。舞台は荒れ果てた無人島で、アリアドネは恋人にたった一人でこの島に残され、一人舞台に横たわっている(ことになっている)。クレタ島の王女アリアドネは、英雄テーゼウスがかつてクノッソス宮殿の奥深くにある迷宮で半人半牛の怪物ミノタウロスを倒した際に、彼に糸玉を渡して誰も生きて出られたことのないこの迷宮からの脱出法を教え、その命を救ったのだった。テーゼウスはアリアドネを連れてクレタ島を後にするが、なぜかこのナクソス島にアリアドネを置き去りにしたのだ。3人のニンフ達(木の精、水の精、エコー)がアリアドネを哀れんでいる。アリアドネは打ちひしがれて横たわり、自らの境遇を嘆いて死を願うが、ほんの少し離れた所ではツェルビネッタと4人のコメディアン達が無人島のバカンスを楽しんでいる。コメディアン達はアリアドネを励まそうと歌ったり踊ったりするがアリアドネは彼らの存在を全く無視している。(本来のオペラでは、彼女はたった一人でこの島に取り残され、人間は誰もおらず、木の精、水の精、こだまの3人の妖精達だけが登場するはずなので)歌っても踊っても効き目がないのがわかると、ツェルビネッタは4人を退けて、自分の経験を交え、男と女の関係などはかないものだと、長いアリアを歌って説教をするが、はたしてアリアドネはすっかり洞窟の中にはいってしまう。
4人のコメディアン達はアリアドネなどお構いなしにツェルビネッタを口説こうとドタバタ芝居を繰り広げるが、一番大胆なハレキンがツェルビネッタを口説き落として一同は舞台を去る。急にニンフ達が現れ興奮しながらバッカスの到来を告げる。バッカスは魔女のツィルツェのもとを逃れてこの島に現れたのだ。アリアドネはバッカスを死に神だと思い、この世の苦痛から開放される事を願ってバッカスに身を任せるが、バッカスはアリアドネを祝福し、アリアドネを求めて二人の新たな生が始まると歌う。そこにもう一度ツェルビネッタが顔を出し、結局別の神様が現れれば付いて行くではないかと冷やかすが、ニンフ達が祝福する中バッカスはアリアドネを二度と手放さないと誓って二人は旅立って行く。
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